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1/28 コロラド州 アスペン コテージ No.2

 

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歩夢side

と來夢が出て行ってすぐに、準備が整ったらしい友基がリビングに入ってきた。

「あれ? 2人は?」

「んー、2人で先行っちゃった」

「え? なんで?」

をからかったら、照れて來夢を連れて行っちゃって」

それを聞いた友基は、呆れたような面持ちをして、ため息混じりにこう言った。

「……悪あがき?」

「そうかも。顔合わせると、ダメだわ。どうしても反応見たくなる」

明日離別するのだから、もうの気を引くようなことをしても意味は無いのだけど。

どうしても彼女の魅力的な顔を見てしまうと、俺の言動にどきまぎする表情を、引き出したくなってしまう。ーー本能かな。

「そんなんで大丈夫なの? 今日は」

「ーーそれは大丈夫」

記憶がないくらい幼い頃からやっていたスノーボードだ。

俺には、雪上に立つと他のことを一切シャットダウンして、ただ技をメイクすることに集中出来る技能があった。三子の魂から、染み付いている習性なので、それが崩れることは絶対にない。

「まあ、歩夢ならそうだろうね」

「よくわかってるね」

「まあね。……でも、雪の上以外は心配だよ。明日から」

「ーー大丈夫だって。とどうこうなる気はさらさらないって言ったじゃん」

だって、どう考えても無理な2人だ。ーーそれに。

の気持ちだってわかんないし」

嫌われてる感じはしないけど、どうも掴みどころがない。ーーというか。

今まで恋愛ごとに大して俺は自分から積極的になったことは1度もなかった。

いつも気づいたら好いてくれる女の子がいて。まあ、嫌いじゃないからいいか、という、流れに身を任せる形で恋愛の真似事をしていたように思う。

相手の気持ちがわからないことが、こんなに不安なことだとは思わなかった。

「……それは俺もわかんないけどさ。俺は2人がどうにかしていい仲になってほしいなあと思うんだよ」

「なんで?」

「歩夢が初めて自分から好きになった人だから。……そんな人、これから現れる気がしない」

友基は寂しげに言う。ーー小学生の時に、俺の兄の英樹と大会で競い合っていた時からの付き合いである友基。

心から俺のことを案じてくれていて、嬉しくなる反面、申し訳なくなる。

「あんがと」

「うん」

「でも……やっぱり終わりなんだよ、大会が終わったらさ」

「……うん」

「さ、そろそろ俺達も行こうか」

「ーーそうだね」

友基は少しまだ何か言いたそうだったが、俺の言葉に頷いた。

そして俺たちはコテージを出て、大会の会場へと向かった。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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