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1/26 コロラド州 アスペン 林中 No.1

 

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歩夢くんと電話で話している最中に、片手からすぽりとスマホの感触がなくなった。

私は驚いて、目を見開く。私をここまで連れてきた女性2人のうちの1人が、私のスマホを見せびらかすように、つまんでいた。 そしてそのまま、ポイっと無造作にスマホを草むらに投げ捨てた。

「I felt like you were talking about us, so I had you stop calling. ...... I do not know Japanese, but somehow.(私たちのことを話している気がしたから、電話はやめさせてもらったわ。……日本語はわからないけど、なんとなくね)」

電話中、私の表情が変わったのを見ていたのだろう。なかなかの観察力。ーーお見事。

つまり歩夢くんの言う通り、この2人は”ヤバい奴”。そういうわけだ。

私は何も言わず、なるべく表情を変えず、ただ2人を見つめる。ーーすると。

「Hey? Can I already do around here?(ねーえ? もうこの辺でいいでしょ?)」

女の1人が、大きめ声で誰かに向かって言った。すると、少し後方から人影が近づいてくるのが見え、やがて私の前に姿を現した。

2人組の若い男だった。1人は黒髪、1人は金髪で、二人ともなかなかの男前だが、滲み出る荒々しさから、育ちの悪さが伺える。

彼らは私を見るなり下卑た笑みを浮かべ8る。背筋がぞくりとし、身震いしそうになるが、私はこらえた。

「I brought a Japanese girl you wore eyes.あんた達が目をつけてた日本人の女、連れてきたわよ)」

「Nice. Ah, after all Japanese girls are good. It's thin, small and cute.(ナイス。あー、やっぱ日本人はいいね。細くて小さくてかわいくて)」

「She looks like a child. This is a crime.(子供みたいだよな。こりゃ犯罪だわ)」

「Even if it is not a child, is it a crime?(子供じゃなくても犯罪でしょ?)」

4人は顔を見合わせて笑った。

とんでもないことを世間話のように話す4人。彼らにはこれが日常というわけか。

「Hey, whatever it may happen to her. If you bring money please turn it to us?(ねー、その子はどうなってもいいけどさ。お金持ってたら私達に回しなさいよ?)」

「That's right. Because I brought her to here. She, because the guard was hard and it was troublesome. I did it on the way.(そうよ。ここまで連れてきたんだから。この子、わりとガードが固くてめんどくさかったんだから。途中でバレたしね)」

「I know that.(わかってるって)」

そう言うと、男二人が私に近づいてきた。女達は鼻歌でも歌いそうなご機嫌な様子で、軽快な足取りで元来た道を戻って行った。

まあ、さすがに女は私が男にどうこうされるのを見る趣味はないよな。

すると、改めて男二人は、舐め回すような視線を私にぶつけた。

「Well. To adultly come to our room ... ... to resist here and be forcibly done.(ーーさて。大人しく俺たちの部屋に来るのと……ここで抵抗して無理やりになるのと)」

「You can choose which is better?(どっちがいいか選んでいいよ?)」

「Oh, the idea of calling for help on the way to the room is in vain.(あー、部屋に行く途中に助けを呼ぼうって考えは無駄だよ)」

「Our room, even if you walk from here, there is nothing in between.(俺たちの部屋、こっから歩いて行ってもその間なんもないから)」

言ってることとは正反対の、優しい口調で言う。まるで子供に「おもちゃどっちか選んでいいよ」と諭すような口調。

ーー手口に慣れている。今までの様子を見ていると、はっきりとそれが分かる。

そしてここは、街から20分以上歩いた雑木林の中。例えどんなに大声で助けを呼んだって、誰にも届かないことは想像に固くない。

あー。これはまずいな。フィレンツェの夜の街で、何人かに追い回された時以来のピンチだ。

ーーあのときは街の中だったためか、ダッシュで逃げたら振り切れたけれど、今回はそうもいかなそう。

私は口を固く引き結び、男達を黙って見ながら、必死に打開策を考えていた。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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