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1/26 コロラド州 アスペン コテージ No.3

 

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歩夢side

『 ……と、いうわけでちょっと案内してもらって写真撮ってきたいんだけど。いーい? 』

腹筋中にから電話がかかってきたかと思えば、地元民らしい女性二人が、撮影スポットに連れていってくれるからそこで写真を撮りたいということだった。

「近いの?そこ」

『 うん、そうみたい。五時過ぎには戻れると思う』

俺はコテージ備え付けの掛け時計を見た。時刻は4:40。

まあ、親切な女性だと言うし、その時間なら危険はないだろう。……っていうか、俺は通訳として雇っているだけなんだから、そこまで束縛する権利はない。

ーーなんとなく、個人的な感情で心配になってしまうけど。

「それくらい、いいよ。行ってらっしゃい」

『 ほんと!ありがとう!歩夢くん 』

本当に嬉しそうに言う。ーーっていうか、黙って行けばバレなかったようなことなのに。って真面目だなあ。

俺との約束をきちんと守ってくれている。そのことに気づいて、嬉しさを噛み締める俺。

「じゃ、気をつけてね」

『 いってきまーす! 』

そして通話を切る俺。いつの間にか、傍らに來夢が立っていたことに気づく。

ちゃんなんて?」

「地元の女性2人組に案内してくれる場所で写真撮ってくるって。5時過ぎには戻れるらしい」

「ふーん。そっか。……早く帰ってこないかなー♪」

特に気にした様子もなく、脳天気な調子で來夢は言う。

そして俺達はそのまま筋トレやストレッチをしたり、適度に休憩したりしてしばらく過ごした。

しかし、時刻が5時1分を過ぎると。

「おい! ちゃん遅くないか!?」

來夢が焦った様子で俺に詰め寄りながら言ってきた。

「は…? は五時過ぎって言ったんでしょ? まだ1分しかすぎてないじゃん」

ソファでくつろいでいた友基が呆れるように言う。

「いや!でももし何かあったらと思うと!」

「いやさすがに心配しすぎでしょ」

ーースコッティのこともあったし少し気持ちはわかるけど。

なんてことは言わず、俺は淡々と言う。

しかしすでに自分の中でできあがっている來夢はいきり立つ。

「そんなこと言ってられるか! 今まさにちゃんは危険な目に!」

「そうかなあ~……」

「今行くよちゃん! そしてちゃんを助け出した俺とそのあとちゃんは……抱き合う2人……」

「……」

妄想を垂れ流す來夢に、友基がしらけた視線を送る。

そして來夢はダッシュでコテージ出入口のドアの方へ向かい、ノブに手をかけた……その時だった。

「いでっ!」

突然ドアが外側から乱暴に開き、來夢の鼻が強打される。鼻を抑え、思わず座り込む來夢。

ーーが帰ってきたのか? おれはドアの方に視線を送る。

だが、そこにいたのは。

ー! If you have not served dinner how about even dinner with me? Of course only two people.(ー! もし晩御飯まだなら僕と一緒にディナーでもどう? もちろん二人きりで)」

中に入るなり、誰がいるか確認もせずに満面の笑みでそう言ったのは、長身のオーストラリア人スノーボーダー、スコッティだった。

って、お前かよ。懲りないやつである。

is not right now though.(なら今いないけど)」

俺が仏頂面でそう言うと、スコッティは笑みを湛えたまま肩を竦めた。

「……Oh, that's disappointing.(……おっとそれは残念だ)」

「I think that she will be back soon.(もうすぐ帰ってくると思うけどね)」

余計なことをスコッティに教えやがる友基。ーーこいつ絶対に関わる色恋沙汰を楽しんでるよな……。

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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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