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1/26 コロラド州 アスペン カフェ

 

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「うーん、もうこの辺はもう撮り尽くしてしまったかな……」

カフェの椅子に腰掛け、コーヒーを啜りながら私はカメラのデータを眺めていた。

歩夢くんの了解を得て、周辺の風景を撮影しに来た私。でも、歩いて行ける範囲なんてたかが知れているし、この辺りは昨日も2時間くらいうろうろして撮影済みだ。

めぼしい所はほとんど撮り終えてしまった感じだった。

現在午後4時半。これ以上遠くに行くと日が暮れてしまう。雇い主との約束を破るわけには行かない。

「……この辺をもうちょい撮って帰るかなあ」

まだ探せばいいスポットがあるかもしれない。私はダメ元で撮影を続けることにした。椅子から立ち上がり、カフェから出ようとした。 ーーすると。

「Hey, you forgotten.(ちょっと、あなた忘れ物よ)」

「Huh?(ーーはい?)」」

背後から女性に話しかけられ、私は振り返った。

現地の方々だろうか。私の隣のテーブルに座っていた外国人女性2人組のうちの1人が、私の手袋を持っていた。

ーーあ、忘れてたんだ。

「Thanks.(ありがとう)」

そうお礼を言うと、私は彼女から手袋を受け取った。すると2人組は気さくな感じで話しかけてきた。

「You stayed around here yesterday, are not you?(あなた、昨日もこの辺いたわよね?)」

「Oh, yes.(あー、うん)」

「……be careful. At night, cute girls like you will be kidnapped. Because it is different from Japan.(……気をつけてね。夜になると、あなたみたいなキュートな子は攫われちゃうわよ。日本と違うんだから)」

「Thank you. But, that's fine. Because I will go back before it gets dark(ありがとう。けど、大丈夫。暗くなる前に帰るから)」

ーーそれに、撮影のためにここより危険なところに一人で行くことなんて、しょっちゅうあるし。

なーんてことは、面倒なことになりそうだから言わなかったけど。

「so? ... ... By the way, you took pictures yesterday and today. What are you shooting?(そう? ……ところで、昨日も今日も写真撮っていたわよね。何を撮っているの?)」

「Oh, I am a photographer. Aspen came for the first time, so I was photographing a lot.(あ、私フォトグラファーで。アスペンは初めて来たから、いろいろ撮っていたの)」

「Photographer! What? That's amazing! You are still a child!(フォトグラファー!? すごいわね! まだ子供なのに!)」

「………」

心底驚いたように、口に手を当てて大きな声で言う。米国人特有のオーバーなリアクション。

こう見えても20歳なんだけどな……。まあ、東洋人は幼く見えるっていうから……。

「Oh, I know a good place if that's the case.(あら、それならいい場所知ってるわよ)」

もう1人の方が、私に向かってそう言った。

「Godd Place?(いい場所?)」

「There is a place where a snowy mountain far away looks so beautiful.(近くに遠くの雪山がすごく綺麗に見える場所があるの)」

「Really!?(本当!?)」

この辺を取り付くしてしまった私にとっては、願ってもいない情報だった。

「Where where! What? Where! What?(どこどこ!? それどこ!?)」

私は身を乗り出して2人に尋ねる。そんな私の様子を見て、2人は顔を見合わせて笑うと、優しくこう答えた。

「Because it enters into the forest, it is difficult to explain with your mouth(林の中に入るから、口じゃ説明しづらいのよね)」

「But is it really close soon, so shall we show you?(でも本当にすぐ近くだから、私たちが案内しましょうか?)」

「True! What? I'd love to hear from……(本当!? ぜひお願……)」

ーー誰かについて行っちゃダメだよ。

即答しようとしたところ、歩夢くんのこの言葉を思い出し、私は固まった。

ーー行きたいけど、約束だしなあ。

急に言葉に詰まる私に、2人は不思議そうな顔をしてこちらを見た。

「What's wrong?(どうしたの?)」

「Well a little ... ... as promised with my employer. It might be difficult to go.(いやーちょっとね……私の雇い主との約束あって。行くのは難しいかも)」

「Oh, that's a pity. I wanted to see your picture.(あら、それは残念だわ。あなたの写真見てみたかったのに)」

「Hey, Then why do not you call me from now and ask? It's for immediate closing soon, is not it okay?(ねえ、それなら今から電話して聞いてみたらどう? 別にすぐ終わる用事なんだし、大丈夫でしょ?)」

「Oh I see!(あ、なるほど!)」

2人のうちの1人の提案に、私は瞳を輝かせる。ついていくのは女性達だし、すぐ近くということだし、許可が出そうな気がする。

「Well then I'll call him!(じゃあ電話してみるね!)」

「OK.」

私はスマホを取り出し、歩夢くんの電話番号をタップした。


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泰人

Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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