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1/24,コロラド州 アスペン コテージ no.4

 

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歩夢side

「あ~、まだ帰ってこない~ちゃーん~、まだかまだか~!」

のことが心配過ぎて落ち着かない來夢は、コテージに着いてからというもの、ソファに座ったと思えば立ち上がったり、リビング内をうろうろしたりしていた。

「もう來夢ー、うざい」

ソファに座りながら暖かいお茶を飲んでいる友基は、目障りな來夢を心底うっとおしそうに言った。

「なんだよー!友基はちゃんが心配じゃないのか!?」

「心配は心配だよ。けど、さっきも言ったけど スコッティは悪いやつじゃないし、もいい大人なんだから、あの二人の勝手でしょ。……ね、歩夢」

少しニヤつきながら俺を見る友基。ーーなんでこいつは俺がに心を乱されてることが分かるんだ。女子か本当に。

「……うん」

友基に向かい合うようにソファに座っていた俺は、気のない返事をしてテーブルに置いてあったミネラルウォーターのボトルを手に取った。ーーやたら喉が渇く。

そして1口飲もうとした。ーーだが。

「……あれ」

「それ蓋空いてないよ。歩夢」

水が口に入ると思ったら、唇に想像していない感触を感じ、俺が戸惑うと、すかさず友基が突っ込んできた。

「……動揺してる?歩夢」

「別に、違うし」

おざなりに返事をして、蓋を開けて水を飲む。しかし喉の乾きは潤わない。

そんなことを俺たち2人がやっていると。

「だああぁ! もう! お前らはだめだ!」

状況に耐えきれなくなったらしい來夢が、俺たちの眼前で絶叫した。

「うるさいなあもう」

「こらー! 友基! なんなんだお前らは! ちゃんがピンチだと言うのに! 歩夢もだ! 何水飲んで落ち着いてんだ!」

「はあ、ごめん」

「もうこうしちゃおれん! 俺は探しに行くううう!」

「えー、だってどこにいるかわかんないじゃん」

「じっとしてるよりマシだ!行くぞ友基!」

「寒いからヤダ」

「何をーー! じゃあ歩夢!」

ーー俺は。

もう友基に何を思われてもいい。自分のに対する気持ちも……もう、薄皮1枚で俺が閉じ込めていたに対する気持ちも、溢れ出させていいのかもしれない。

ーーだって、もう……。

「探すって、私帰ってきたけど」

「ほら! 探せば帰ってきた……って、え…?」

俺が自分の気持ちに決着をつける寸前に、彼女は俺たちの前に現れた。

いつの間に入ってきたのか。來夢が騒いでいたせいで全然気づかなかった。

ちゃーん!? か、帰ってきたー! 無事帰ってきたー! よかったよおおお!」

「……? よくわかんないけど、充電器取りに行っただけだから無事に決まってんじゃん」

來夢の異様なテンションにたじろぐ。俺はそんなをじっと見る。

ーー特に変わった様子はない。いつものだった。奴と何らかのハプニングがあったようには見えない。

のことだから、そんなことあればすぐ顔に出るだろうし。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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