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1/24,コロラド州 アスペン レストラン No.6

 

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「ぐぬ……。で、でもスコッティそんなやつじゃないよな!? 歩夢の関係者に手を出すような、そんな……」

「まあ…あの顔なら遊ぶ相手には困ってないだろうし、わざわざを狙って歩夢とゴタゴタになるようなめんどくさいことはしないと思う」

ーー言われてみればそうだ。そう、友基の言葉のとおりではあるのだが。

を一瞬見た時のスコッティの瞳が、何か特別なものを見るように見えた俺は、不安で仕方なかった。

「ーーあ。でもさ」

「なんだよ!?」

「もしに一目惚れーとかで、本気になったとしたら……そういうの気にしないで攻めてきそうではあるよね」

「な、なんだとおおお!」

友基の冷静で的確な言葉に、來夢が絶叫する。

「やばいじゃん!やばいやつじゃんそれ!あんなイケメン外国人に口説かれたら普通の女の子は落ちるじゃーん!」

「まあ9割型の子は」

「のおおおお!」

頭を抱える來夢。よくそんなにくるくる動けるもんだなあ。

「……まあ、は残り一割っぽいけどね。ね、歩夢?」

なんだか知らないけれど、不敵な笑みを浮かべて友基が同意を求めてくる。

「……さあね」

俺は気のない素振りを見せた。

「あれー、さっき焦ってなかった?歩夢」

「え、なんで?」

とスコッティからメール来た時、怖い顔してたから」

「別に。気のせいじゃね?」

「……ふーん」

なにか言いたそうにする友基だったが、俺は素知らぬ顔をする。

ーー実際は早くを探しに行きたいほど焦っていた。走り回って見つかるのならすぐにでもそうしている。

だけど、スコッティのホテルの場所はわからない。と連絡も繋がらない。

「まあ、名前はそういう気ないと思うし、大丈夫でしょ。スコッティも無理に…とかはないと思うし。コテージで待つしかないんじゃん?」

友基の言う通りだった。今すぐどうこうできる問題ではない。俺達にはなす術がなかったんだ。

「ヤダヤダ!スコッティに取られたくなーい!探すー!」

「……はいはい。もう帰るよ來夢」

駄々をこねる來夢の肩をぽんぽんとたたきながら、宥めるように友基は言う。

「それにさ……別に來夢はの彼氏じゃないんだから。名前がスコッティとどうにかなったって、の自由だよね」

來夢に言いながら、友基は俺に言っている気がした。言葉の最後に友基は俺をちらりと見た。俺は気付かないふりをする。

ーーそう。俺はの彼氏でも恋人でもない。ただ雇用関係を結んでいるだけなのだ。

だから、こんなことなんともない。ちょっと心配になっただけ。だっていい大人なんだから、俺がどうこう言う必要は無い。言う資格だってない。

ーーだから乱れるな。落ち着け。

俺は波たつ心を必死に沈めようとしたが、さざ波のような苛立ちは後から後から押し寄せてくるのだった。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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