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1/24,コロラド州 アスペン レストラン No.3

 

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、よかったねえ!」

「俺、役に立てなくてごめんよ、ちゃん…」

「そんなことないよー。 みんながここに連れてきてくれたおかげじゃん! ここに来なければ、スコッティに会えなかったわけだし」

スコッティに株を奪われて落ち込む來夢だったが、それを元気づけるように言う。

「はぁ…本当に天使…マイエンジェルマイスイート…」

「それじゃ食べ終わったしそろそろ出ようか」

相変わらず片山はなんか言っているけど、だんだん慣れてきた俺は華麗にスルーして席からやおら立ち上がる。

「そうだねー」

するとが俺に続き椅子から腰を上げ、俺の傍らに立った。

ーーあれ。

「…

「ん?」

「口にソースついてる」

彼女の口の端に少しついていたのが微笑ましくて、俺は少し笑いながら、彼女の口角を指で撫でてソースを取ろうとする。

「えっ…」

一瞬、はポカーンとしていたが、次の瞬間みるみるうちに顔を赤面させた。

ーーあ、なんかやっちまったかな。

だって、どうしてもかわいがりたくなってしまう。を見ていると。

「な、な、なん…」

「ごめん、ちゃんと取れなかったわ」

「おおおおお手洗で、か、か鏡見て、くる!」

「あ、じゃあ店の外で待ってるから」

俺の言葉を聞いていたか怪しい感じで、名前はダッシュでトイレの方に走って行ってしまった。

あんなに照れなくても。真顔で「かっこいい」って言う方が、よっぽど恥ずかしい気がするのだが。

ーーなんて思っていると。

「あ~ゆ~む~……」

殺意がこもったと言っても過言ではないくらい低い声。來夢が恨みがましそうな目を俺に向けていた。

「なんかふたりいい雰囲気じゃなーい?」

追い打ちをかけるように、友基が面白がるように言う。ーー余計なことを。めんどくさい。

「歩夢ーー!ずるいぞ!お前やっぱりちゃんのこと!?」

「そんなんじゃないって」

「じゃあさっきのはなんだ!? え!? もうとにかくずるいずるい!」

「それなら來夢もやればいいのにねー」

「そんなことできるわけないだろ! ちゃんに触れたら嬉しくて失神するわ!」

「……馬鹿なの?」

友基愛想がつきたらしく、冷たい声で言う。しかし來夢はそんなことはお構い無し。ただただ俺に憤慨した様子で睨みをぶつける。

「まあまあ。だからそんなんじゃないって。ついだよ、つい。小さい子にやるみたいな」

「ふんがー! ほんとにそんなんじゃないんだな!?」

「だからそう言ってるじゃん」

俺がしつこく言うと、少し怒りが収まってきたらしい來夢。

「そんなら…いいけどよ~」

それでもあまり納得いかない様子でむくれてはいたが。

「はあ、もういいからさ。お店混んできたから外で待ってようよ~」

「うん」

「くそこの歩夢め……」

なんか呟いている來夢の声は当然聞こえないふりである。

ーーそんなんじゃないんだよ、本当に。

だって名前って単純で純粋でからかいたくなるだろ。……別に恋心なんてなくっても。

そう思いながら俺たちは一旦店の外に出てを待った。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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