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1/24,コロラド州 アスペン レストラン No.1

 

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「…おいしい。幸せすぎるー」

はフォークを片手に、本当に幸せそうに微笑みながら言った。

「よかったねえー」

ちゃんが喜んでくれて何より!」

友基と來夢の言葉にうん、うん、と頷きながらもステーキを1切れもう一口。

は女の子にしてはよく食べる。この店も女性向けのガレットやリゾットといったかわいいメニューもあったのに、「肉!肉が食べたい!」なんて言い出すので、ちょっと面白かった。

けど、とても綺麗な食べ方をする。残さないし、ナイフとフォークの使い方もばっちりだ。

ーーディテールまで好感がもてるよなあ。

充電器を探したあと、俺たちはコテージ近くのレストランで夕食を取っていた。

評判がいい店で、1度行ってみたかったのだけれど、大会中はほかの選手がいたりメディア関係者がいたりして会うと少し面倒なので、外食は避けていた。

しかし今日は1日歩き回ったし、も毎日俺たちに付き合わせてコテージでの簡単なご飯だけでは可哀想なので、今日は外で食べることにしたのだ。

「でもさー、充電器なかったね…」

「くっそー、なんでちゃんに合わせて商品取り揃えないんだ!」

心底残念そうに言う友基に、ここらの店に無茶な要求をする來夢。

、ごめんね。無駄足だったかな」

ステーキをもぐもぐするに向かって、俺は少し申し訳なさそうに言う。するとは、大げさに首をぶんぶん横に振った。

「いいよいいよ、私のカメラがマイナーなのが悪いんだし。それにみんなでお店回るのなんか楽しかったよ 」

大してへこんでる様子もなく言った。

「あれ、でも朝に毎日写真撮れないと死ぬって…」

ちゃんが死んだら生きている意味がない…」

來夢のどうでもいい言葉は聞こえていなかったようで、は友基の問いに答えた。

「あー、まあやっぱり写真撮りたいけどさー。ないならないで仕方ないよね」

あっさりと言う。確かに落ち込んでいてもどうしようもないことだが、素晴らしく切り替えが早い。ーーアスリート向きかもしれない。

「あとそれにね、みんなが探してくれてすごく嬉しかった! みんな優しいよね、ありがとう」

満面の笑みで言うもんだから、彼女の嬉しさがじわじわと俺の中に伝わってくる。

ーー朝はあんなにへこんでいたのに、俺達が元気づけてあげられた。

そう思うと、内から嬉しさがこみ上げてくる。

「天使…かな?」

來夢がの笑顔を見て掠れた声で言った。ーーまた何言ってんだこいつは。

ちょっと同意しそうになったけれど、無意識のうちに俺はその思いを心の深い場所に押し込んで、見ないふりをする。

俺達がそんな会話をしていると。

「Oh? Is Ayumu there?(あれ? 歩夢じゃないか)」

聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。俺は声の主を思い出しながら、振り返る。

ーーすると、そこには。

「あ、スコッティ」

ブラウンの短髪に、180cm以上は余裕であると思える長身。しかしその背の高さとは相容れない整った人懐っこい童顔が、親しみを感じる。

スコッティ・ジェームズ。オーストラリアの選手だ。ここ最近非常に調子が良く、今シーズンは何度も表彰台にあがっている。

もちろん手強いライバルだが、とても気さくで俺が心を許している外国人選手の1人だ。

「Hi.(おっすー)」

「Good evening.(こんばんは~)」

來夢と友基も顔見知りなので、慣れた様子で挨拶をすると、へい、とハイタッチをするスコッティ。

「Ayumu,How do you feel?(歩夢、調子はどうだい?)」

「Well, not bad.(まあ、悪くないね)」

「I am looking forward to the game.I will not lose to Ayumu or to Raibu either(そりゃ楽しみだ。僕も負けないけどね。歩夢にも來夢にも)」

「Oh, let's do our best.(おー!お互い頑張ろうぜ!)」

不敵に笑いあう俺達。俺も來夢もスコッティも、誰もが勝つつもりでここに来ている。

こういう風に言い合える仲が、俺は好きだ。

「Hey, by the way, is the cute carnivorous girl that is there someone's steady?(ねえ、ところでそこにいるキュートな肉食ガールは誰かのステディかい?)」


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泰人

Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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