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1/24,コロラド州 アスペン コテージ no3

 

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「へこむよー! 私毎日写真撮ってないと死ぬ病なの!」

「ほう、それは珍しいね…」

「とーにーかーく! カメラが動かないと元気が出ない仕様なの!悪い!?」

苦笑を浮かべた友基の言葉を遮るようには訴える。

俺も大袈裟だとは思ったけど、もしカメラをボードに置き換えたらどうだろう。の気持ちがわかる気がする。

を見ながら黙っていた俺に気づくと、ははっとしたようか顔をした。

「……あ、ごめん。大会の前に変な事言って」

「いや、いいけど」

「だから隠しておきたかったのにー! 歩夢くん鋭すぎるよー」

笑って言うが、明らかに作り笑いだと分かるその表情。

「その一眼レフ、そんなに持ってる人いないよね」

「えっ…?あ、うん。詳しくないと使いづらいし、私みたいな職業の人くらいしか使ってないだろうね」

「そっか…」

多少電化製品が置いてある店はこの辺にもあったと思うが、望み薄だな…。

でもダメ元で行ってみるか。

。今日この辺風が強いから、練習休みにしようと思ってたんだ」

「あ、そうなんだ」

「だから店回って同じ型の充電器あるか一緒に探そうよ」

「……え!?」

大きな瞳をさらに見開いて、驚愕の面持ちで俺を見る

そして数瞬後、太陽のように表情を明るくさせた。

「いいの!? 練習ないって言っても、面倒じゃない!?」

「いいよ。気分転換もしたいし」

「やったー! 歩夢くんありがとう!」

満面の笑みを浮かべる。 ーーかつて、こんなに濁りのない微笑を浮かべる人間が、俺の周りにいただろうか。

その新雪のように澄んだ灰色がかった瞳に、少し気を抜くだけで足元をすくわれる気がした。

「じゃ、飯食って準備したら行こうか」

「うん!」

うきうきした様子で、友基が置いてくれたトーストにバターを塗り始める。 ーーと外出か。そういえば、最初空港で会って以来、こことゲームの会場くらいしか行ってないもんなあ。

なぜか顔から笑がこぼれそうになるのを、俺は素知らぬ面持ちで堪える。ーーすると。

「店開くの10時か11時かなあ?」

「俺なんか食べに行きたいわ~」

友基と來夢が、さも当然のようにそんな会話をしているのが聞こえてきた。ーーって。

「え、2人も来んの?」

俺の問いかけに2人は、あっけらかんとこう答える。

「え、だって練習できないのは俺達も一緒じゃ~ん」

「俺も気分転換したい!」

「……そう」

なんだかテンションが下がり、俺は消え入るような声を出す。すると來夢が、には聞こえない程度の小声で俺に耳打ちしてきた。

「俺のちゃんとデートなんて許さん…!」

「……誰が來夢のだ誰が」

呆れた声を上げる俺。それにデートだとか、そんなこと思ってない。

雇い主としてが落ち込んでいるのをなんとか解消させてやりたかっただけだ。

ーー残念に思えたような気がしたのは、気のせいだ、たぶん。


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コメント

No title

初めまして!
小説めっちゃめっちゃはまってしまいました!
泰人さんの小説は描写や会話がリアルで読みごたえがあって、何度も読んじゃってまーす★
泰人さんの小説の歩夢くんが、本当にリアルの歩夢君ぽくて。。。リアルの歩夢君知らないんですケド、なんだかそう思えました!
これからも頑張ってください♡

読んでいてとっても楽しいです!次の更新お待ちにしています(^ ^)

No title

>みったんさん
初めまして! なんだかうれしいお言葉をいろいろありがとうございますー!
私はどうも長々と書いてしまうので、最近のはやりのさらっとした夢小説とは違うので、読んでくれる人がいるのか不安でした……。でもでも、楽しんでくれているようでよかったです!
歩夢くんリアルですかー!! まだまだですがこれからもリアルと思っていただけるように頑張ります!
またお越しください♪

>楓さん
とっても楽しんでくれているようで何よりですー! ありがとうございます!
ちょいちょい自分のペースで更新していくので、また読んでいただけたら嬉しいです!

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泰人

Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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