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1/21,コロラド州 アスペン Xゲーム会場 no.4

 

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「ん?どした?」

 俺は首を傾げる。

「銀メダル…世界ランク一位……って、相当すごいよね…有名人…」

「まあ…」

 一瞬、の俺に対する態度がやはり変わってしまうのかと不安になる。

 しかしそれにしては顔が青くなるのはおかしいが。

「ねえ、歩夢くん…」

「うん?」

「私みたいな得体の知れないやつ、雇って大丈夫なの…? 歩夢くんまで評判落ちないかなあ…週刊誌に変なこと書かれたりして……」

 俺の心配は杞憂だったようだ。

 すると来夢が吹き出した。

「あはははっ! 得体の知れないやつって! ちゃん面白いわー!」

「え、だだだって! お金ないしパスポートもないし荷物もないし…もうなんもないやつだよ!? 私が極悪人だったらどうするの!?」

「それはありえないとわかる」

 俺は食い気味に言った。その正直すぎる言動で極悪人とか無理だろ。横では来夢もうんうんと頷いていた。

 ――って。そっちだって俺の正体も知らずにノコノコついてきたくせに。人のこと言えないだろ。

「まあ、それは違うけどさあ…。…でも本当にどうして私を雇ったの……?」

 少し不安げに、不思議そうに俺を見つめた。

 ……初めて見るの表情だった。1文無しで空港であった時ですら、割と元気そうだったのに。

 俺のパーカーにくるまったの、縋るような、問いかけるような表情。――はっきり言って、そそられた。

 いじめたい。そう思えた。

「かわいかったから」

「………え………?」

 一瞬俺の言葉の意味を理解出来なかったのだろう。呆けたような表情で俺を見つめる。

 しかしすぐには顔を赤らめた。

「な、な、なっ…?」

「――なんてね。あ、俺また滑ってくるわ」

 のフォローもせずに、俺は再びドロップインするためにすたすたと歩き出した。

 今日は気分よく練習できそうだ。

「お、おい!歩夢!?今のなんだよ!ちゃんのこと昨日は別にって…って、おい! 俺も滑る!」

後ろで来夢がなんかわめいてるけど、無論スルーを決め込み、俺はボードを滑らせた。


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Author:泰人
昔いろいろ夢書いてました。

久しぶりに書いてます。

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